8.1

8.1/10

 

「芸術的に優れている」ってどういう事だと思いますか?あくまで個人的な意見ですが、少し思うところを書いて行きたいと思います。

 

「先人の作った偉大な作品を参考にしながら、自分なりの要素をいかに織り込めるか」、コレがいわゆる世間一般で言うオリジナリティの正体ではないでしょうか。何を当然のことを言っているんだと思うかもしれませんが、まずココで特に注目してみて欲しいのは、「先人の作った偉大な作品を参考にしながら、」と言う部分です。

 

ココで言いたいのはパクったパクってないの話ではなくて、“誰かの影響を受けずに作品を作る事はそもそも不可能である”、という大前提を踏まえた上で音楽を聞いてない人が多いのではないか…という事です。つまり、その作品を聴いても背後の文脈が全く見えないような場合、その作品は“オリジナリティーに溢れている”訳では決して無く、単純に“中身の無いゴミである”という事を分かって頂きたいです。…だいぶ極端な暴論を振りかざしている気がしますが、もう少しだけお付き合い下さい。

 

世のアーティスト達は、自分の大好きなアーティストに影響を受けながら、かつ単なるパクリから逃れようと自分なりの何かを日々模索し続けているのだ!!!という事がなんとなく想像できますでしょうか。

ミュージシャンを目指すような若者は、音楽が好きで好きで仕方ない訳です。彼ら、彼女らは音楽を聴きまくっている(≒センスが良い)訳ですから、頭が良ければ“そこそこ”の作品を作る事が可能なのは何となく想像はつきませんか?もちろん、それでも何かを作るというのは死ぬほど大変だし、時間も無限にかかります。そんな“アルバム制作”という戦いを常に続ける中で、自分なりの何かを掴み、真の個性を確立することのできたアーティストがブレイクスルーする、すなわち音楽で飯を食っていく資格を得る、という事だと思います。

 

自分にしか出来ない事、いわゆる個性を見つけるにはどうしたら良いでしょうか。受験勉強等とは違って教科書などの決まった指標がないワケですから、本当に難しい事だと思います。運だとか時代だとか、それこそ“才能”が唯一の答えかも知れませんね。

 

そんな簡単に成功のための方法論なんて分かっていたら、僕もこんな文章書いてないでさっさとスターになってます。でもでも、才能だからしょうがない…なんて諦めたくないじゃないですか!

ココで僕が思うのは、結局のところ「とにかく色んなジャンルの音楽を沢山聞くしか無いのではないか」という事です。先ほど、ミュージシャン志望の人達は音楽を聴きまくっている筈だ、と書いたので、それじゃあ何の違いも生まれないのではないかと思うかも知れませんが、ココで注目して欲しいのは“色んなジャンルを聴く”、という部分です。

 

恐らくですが、例えばシューゲイザー系統のバンドはマイナーどころまで聴きまくっているが、いわゆる普通のポップスに関しては全然知らない…みたいなバンドマンが多いのでは無いでしょうか。先人の生み出した傑作を聴くのは当然必要ですが、そのジャンルだけを掘り下げたとしても、そのジャンルの“それっぽい”作品は作れても、歴史に残るような個性的な作品を作るのは厳しいと思います。

沢山のジャンルを聴いて色んなヒントを掴み、それらを組み合わせて個性を作り上げていく…というのが正攻法では無いでしょうか。そして、そのヒントを掴めるか、というのがいわゆる才能的なモノな気がします。

まぁこんな説教みたいな事言っといて、俺も全然聞けてねぇな…とかは正直思ってしまいますが、多分、今の議論は間違っていないと思います。

 

あれ?何の話がしたかったんだっけ?ついに、ねごとについて一言も言及しないままここまで来てしまいました…

とにかく、今回の記事で言いたかった事をさっさとまとめたいと思います。

UKのワケわからんマイナーなシューゲイザーバンドとかを掘り下げて喜んでるくらいなら、騙されたと思ってねごとのファーストを聴いてみて!マジで良いぜ!!!

って事です。

あと、悪い意味でJ-POPを見下してハナから聴かないのは危険じゃ無いか?って事。

まぁ僕も友達に言われなかったら、恐らくねごとなんて聞いてなかったと思うからアレなんですが…まぁそういう事です。ホントに。

 

さてさて、題名のダサさはまぁ置いといて、とにかく最初の5曲でいいので聞いてみてもらえると嬉しいです。この密度で勝負曲が詰まってるアルバムはなかなか無いです。

当時若干20歳のねごとですが、曲のクオリティーが死ぬほど高い。楽器がマジで上手い。メンバーがそれぞれパートごとに突き詰めて考えて全てをぶつけているのが伝わる。最高。歌詞も良い。とにかくその時点でのアイデアを全部ぶつけている。

これじゃあバンドである必要ないだろ…みたいな感じの、いわゆるJ-POP的な音作りというのは確かにあると個人的には思っていますが、この時期のねごとは、それぞれの楽器の活きている、隙間が意識されたプロダクションになっていると思います。それに、“時間をかけて曲を練る”、というのは、“隙間を活かす事が出来ている”、とほぼ同義です。

何というか、あざとくなるギリギリのラインのギターの音とか、この時期限定の輝きが詰まった、次はどうするんだ?と不安になるようなアルバムが本作だと思います。(まぁ正直、中盤とか明らかに失速しちゃうけど…)

兎にも角にも、このアルバムの時点でねごとは若くして個性を確立し、音楽で生きていく資格を得たと言えます。何というか、こーいう音楽をJ-POPのくくりでやっている時点で面白いと思って興味を持ってもらえると嬉しいです。そもそも、ちゃんと通して聞けるように作られたアルバムはJ-POPには殆ど無いからかなり貴重。

 

でもまぁ案の定、このアルバム以降はネタ切れでしょう、歌詞から何からグレードダウンしてしまって迷走した挙句、解散を発表する次第となっています。でもそうは言っても、マンネリ打破のためにETERNALBEATというアルバム(これも結構良いからちょっと聞いてみて!)ではエレクトロニカ色を強くするなど、前向きに頑張っていると思って楽しみにしていたので非常に残念です。

ねごとみたいな、各々に才能があって、しかも巡り合ってバンドを組む!という奇跡の延長線においても、なかなか思うようにいかないワケですから、長年バンドを組んで良い作品を作り続けるというのはホントにすごいことなんでしょうね。

 

でもまぁ散々褒めてきたけど、OKAMOTO’Sと結婚するのはちょっとな…流石にな…

いやいやOKAMOTO’Sて……………

なんかどっと疲れたので終わりにします。(泣)